「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーQUAD ESL-63

QUAD ESL-63は創業者ピーター・J・ウォーカー氏が1963年に着想したモデルであり、そこから長い年月を経て1981年に発売されました。
ESLはQUADお得意の静電型(コンデンサ型)スピーカーのシリーズであり、ESL-63もその特徴である薄型のシルエットを持つモデルです。
そして、フロントに張り巡らされた振動膜は固定電極に挟まれ、固定電極からの信号によって振動膜が反応するシステムです。

フロントはフラットではなく曲線を描いているため、静電型にありがちな指向性の狭さを改善することに成功しています。
さらに固定電極を7分割した同心円状に設置し、中心から外側にかけて信号を遅延させることで音に広がりを持たせました。

QUADの静音型スピーカーは、スピーカードライバーを持たないフルレンジ対応であり、周波数帯域間の移行にストレスがなく分割振動も起こさないため、自然な音の再現が得意です。
特に中音域の強さには定評があり、ボーカルや弦楽器の音はツヤがあり伸びやかに響きます。
それでいて音にブレのない解像度の高さは、ボーカルの存在感や弦楽器の緻密な質感もしっかり感じさせてくれるのです。
ダイナミックな音を聴かせるタイプではないものの、適度な残響や小音量でもしっかり聴かせる特徴は、家庭用として楽しむスピーカーとしては高い性能を誇るといえるでしょう。