「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーAccuphase C-280V

1982年に発売されたAccuphase C-280は、世界最高品質のプリアンプとして海外でも高い評価を得て銘機となり、次の後継機C-280Lもラインアンプのバランス伝送を実現した実力機でした。
1990年に入って発表されたC-280Vは先代モデルで培った技術をベースに、究極のバランス伝送方式を目指して開発されました。

その肝となるのがラインアンプ部の回路で、基本的に3個の差動アンプで構成されています。
この回路の特長は出力の片側をアースしても両方のアンプが作動するため、倍の出力を取り出せることで、結果的にバランス/アンバランスの伝送時に特性上の変化がない理想的な増幅が可能となります。

ライン入力、ライン出力、フォノイコライザーの左右合計6ユニットアンプは、それぞれに専用定電圧電源部が付属し、各アンプは厚手のアルミハウジングに収納されて、8mm厚の硬質アルミ構造体に強固に取り付けられています。
新開発のボリューム機構にも低歪率のCP（コンダクティブ・プラスチック）素子を採用し、抵抗体と接触するブラシは金メッキ多接点型による外部端子と一体構造にして、異種金属歪を低減しています。

フロントパネルに刻印された「precision stereo preamplifier」の通り、C-280Vを通過した音信号は精緻を極め、リファレンスに相応しいプリアンプとしてオーディオファイルに愛用されました。