EARの現行プリアンプとして代表機種になるEAR 868は、購入時にフォノイコライザーを搭載するかしないかを選択することができます。
これにより便宜上、前者は868PL、後者は868Lの型番が与えらることになりました。

もちろん、EAR 912と同等のフォノイコライザーが搭載された868PLこそが、多くのEARファンにとって本命になるのは間違いありません。
しかし愛用のフォノアンプを所有していながら、やはりEARのプリアンプを通したサウンドを聴いてみたいというオーディオファイルにとって、868Lも魅力的な選択肢になります。

EAR設立者で設計者のティム・デ・パラヴィチーニが手掛ける独自のトランスカップリング回路、パラヴィチーニ自らが設計と製作に関わるトランス、厳選された4本のPCC88真空管、このどれもが868Lに搭載されてEAR独特の音色を奏でます。
ユーザーがどのようなフォノアンプを使用しようとも868Lに音楽信号を通す限り、それはパラヴィチーニが理想とするサウンドに染め上げられることでしょう。

現在所有しているフォノアンプで多くのイコライザーカーブが設定されていて手放せないが、音色や艶が今ひとつ物足りないというオーディオファイルにとって、EAR 868Lこそが救世主になるかもしれません。