「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーLUXMAN LUXKIT A3600

真空管アンプ全盛期においては、真空管から大パワーを取り出すことが最重要課題でした。
この課題に取り組んだLUXMANとNECが、1974年に共同開発したのが3極出力菅の8045Gでした。

8045Gはプレート損失45W，最大プレート電圧1000Vを誇り、プッシュプルで最大出力が60Wというモンスター級の性能を実現していました。
その8045Gを搭載して翌1975年に発売されたのが、ステレオパワーアンプの自作キットLUXKIT A3600です。

専用開発された出力トランスOY15-3.6K-HPとともに、4本の8045Gが搭載されたA3600の定格出力はハイパワーの50W×2。
ドライバー段にはムラード型位相反転回路が採用され、
高電圧ドライブ用として新開発の6240Gが2本搭載されています。
初段には内部抵抗が低く増幅率が大きい6AQ8が採用され、優れた高域歪率特性が得られています。

8045Gの製造期間が短かったことに加え、ハイパワーゆえの寿命の短さが仇となり、中古品でも8045Gを積んだA3600は非常に少ないのが現状です。
しかし、8045G相応の真空管に取り替えさえすれば、ラックストーンの特長と言えるクリーミーな質感と大出力が両立した素晴らしいサウンドを楽しむことができます。