「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーLUXMAN LUXKIT KMQ60

LUXMAN LUXKIT KMQ60は、1969年に発売された真空管式ステレオパワーアンプMQ60の自作キットです。

ムラード型位相反転回路の初段に6267が3極菅接続され、位相反転段にはHigh Gmの6DT8を使用することでゲインを稼いだ設計になっています。
出力菅にはNEC製の3極菅50CA10が採用され、これをプッシュプル動作させることで片チャンネル30Wの定格出力を実現しました。

アルミのヘアライン加工シルバーのシャーシには、真空管、トランス、コンデンサーなどが美しくレイアウトされ、パネルと同じダークグレイ塗装されたボンネットも別売で用意されていました。
完成品のMQ60の価格が6万2000円であるのに対し、4万5000円のKMQ60はコストパフォーマンスだけでなく、自作する楽しみもあったため大ヒットとなりました。

ハムノイズがほとんどない50CA10はトランジスタアンプにも負けないほどの静寂性を誇り、高能率のホーン型スピーカーと組み合わせれば必要十分なパワーが取り出せます。
出力トランスのOY15が切れやすいという問題もありましたが、現在もメンテナンスやオーバーホールをしながら使い続けられ、ネットオークションでも人気機種となっています。