Ortofon（オルトフォン）SPU-GTは、1950年代後半に開発されたトランス内蔵のステレオカートリッジで、昇圧トランスがあることにより、MC型でありながらMM型と同様の使いやすさがあります。
交換して変化を楽しむことはできませんが、トランスを用意する必要がないので、その分のコストはかかりません。

時代によって製造元が変わっていることも本機の特徴で、内蔵トランスの違いからくる初期から後期まで音質の変化を楽しむ醍醐味もあり、1960年代の初期タイプは、特にオーディオマニアからの評価が高く、「本物」の音として憧れの的になっています。
また、豊かな響きとドラマティックな音の広がり、物語が展開するような音源の再現が可能となり、ジャズからクラシックまで幅広い種類の音源に対応できる、誰もが真の音楽を楽しむひとときを得られる名機です。

本機には0.6milの丸針が採用されているので、レコード盤の溝に必要以上に入り込まず、振動に耐えて針飛びが起きにくくなっているほか、カンチレバーはロングタンタイプで、メンテナンスをしっかりすれば3～4ｇの針圧で使用できるでしょう。

時代を経てもなお、大きな感動を人々に与え続けるカートリッジとして、高い技術を証明しているSPU-GT。
黄金時代と言われた時期に製造された希少な製品として、今なお需要が絶えることはありません。