Pass Laboratories ALEPH Lは、オリジナルの増進方法であるシングルエンドA級動作を採用しているコントロールアンプとして、1995年に販売がスタートしました。
イメージとしては、Aleph p Mk2のエントリーモデルという位置付けで、約3分の2のサイズにダウンサイジングし、抵抗切替方のボリュームを省略していることを除けば、おおよそ同スペックとなっています。
要するに、コンパクトでありながら、ほぼAleph p Mk2同等の性能を実現したモデルなのです。

増幅回路は片チャンネルにつき各1個ずつ入力用抵抗とコンデンサーを使用して、1個のパワーMOS-FETと出力用抵抗、コンデンサーのみの、シンプルな設計となっています。
ボリュームなどの回路を介すことなく、4系統の入力セレクターから直接パワーMOS-FET素子へ入力信号が供給されるスタイルを採用しています。
これにより、MOS-FETの高い入力インピーダンスをキープしつつ、ミニマムなノイズと歪率を実現しました。
MOS-FETは電流の増加とともに増幅率が高くなる性質があり、これがうまく働いて、適切な非対称増幅特性を得ることができています。

ALEPH Lのサイズは、幅305mm×高さ102mm×奥行292mm、質量7.8Kgとコンパクトな設計です。
シャーシフレームについては精密機械加工のアルミニウム材でできていますが、電子制御のフライス盤によって削り出しており、非常にスタイリッシュなイメージに仕上がっています。
性能を削ぎ落とすことなく小型化に成功したアンプの好例といえるモデルです。