「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーPMC BB5

PMC創立者であるピーター・トーマスとエイドリアン・ローダーは、できるだけサイズを抑えつつ超低域まで再現できるスピーカーの開発を目指し、「アドバンスド・トランスミッションライン」（ATL）というエンクロージャーを、PMC初のモデルBB5に採用しました。

ATL式エンクロージャーの内部には迷路のように折り曲げられた長い音道が作られ、音道内には徹底した吸音処理がされました。
ユニットのピストンモーションによって発生した中低域は音道を通過し、吸音材によって超低域のみが空気口より排出されるため、BB5は17Hzまでの驚異的な低域再現を実現しています。

38cmのコーン型ウーハーを採用しているBB5は、高さ1040×幅432×奥行790mmと決してコンパクトと言えませんが、このサイズで20Hz以下の超低域を再生できることは画期的なことでした。
実際にBB5は英国BBCスタジオに導入され、現在に至るまで数多くの録音スタジオの定番モニターとして活躍しています。

モニター独特のマッシブな外観が特徴のBB5ですが、エンクロージャー仕上げにはブラック以外にウォルナットやローズウッドも用意され、コンシューマー市場でも販売されました。

BB5のどこまでも伸びる低音再生に挑んだオーディオファイルの数は決して少なくありません。