「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーQUAD ESL 988

静電型(コンデンサ型)スピーカーを数多くリリースしているQUADのESL 988は、シリーズの中のハイエンドモデル・ESL 2805などに対して一般向けのスタンダードモデルとして発売されたものです。

QUADの伝統ともいうべき静電型スピーカーの特徴を備え、余計な機構を積まないことで実現するスリムなシルエットを持ちます。
そして、フロント全体に張られた2枚の膜がそのまま振動板となり、ここに直流電圧をかけることでフラットな振動を得ることができます。
平面での振動は音のブレやずれをなくしているほか、フルレンジ対応であることから幅広い周波数帯域をフォローし、高音域から低音域の移行もスムーズです。

一方で、平面から音が出るため音も広がりや奥行きがなくなりがちなのが静電型の難点でもありました。
しかしESLシリーズでは固定電極を7分割の同心円状とし、中心から外側に欠けて信号に遅延を出すことで球形の音の広がりを実現しています。
これにより指向性を向上させていることから、空間を包み込むような音に仕上がるのです。

そしてスタンダードモデルと言いながらも、奏でる音質はハイエンド級で、ダイレクトに語り掛けるようなボーカルや弦楽器の解像度の微細さが印象的です。
また全体的に角の取れた優しい音を鳴らしてくれることから、アコースティックなバラード曲やクラシックには特におすすめです。