贅沢な仕様のハイエンドブランドとして立ち上げられたSONYのESPRITは、コストパフォーマンスにこだわらず上質な機器を丁寧に作り上げたモデルを生み出しました。
ステレオプリアンプTA-E901は、1982年の発売モデル。
以前にリリースされたTA-E900のスピリットをそのままに、機能性をアップさせたモデルです。

安定した動作やS/N比の向上を実現するため、初段はデュアルFETを搭載した回路で電気特性をフラットにしました。
また、2段目にはNPNトランジスターを採用し、リニアリティと歪率の低下を実現したのです。
そして出力段はエミッタホロワPPをダーリントン接続とし、強い負荷にも耐えうる構造としました。
さらに、さまざまな用途に使用できるよう幅広いトーンコントロールやファンクションスイッチが装備されています。
左右のチャンネルがセパレートになっているツインモノラル構成となっており、信号伝送が短縮されるほか干渉も防いでいるのです。

フロントパネルは存在感あるボリュームをはじめ各種切り替えつまみやボタンが配置されており、機能性だけではなくレトロな雰囲気も感じさせます。
そして奏でられる音は細かな音も再現する緻密さで、また軽やかで上品な美しさを持つのです。
それぞれの音が1つ1つ磨き上げられた印象で、シャープな質感が心地よいでしょう。