SONYでは1965年からオーディオ業界に参入し、優れたオーディオ機器を高い技術を駆使して開発してきました。
そして1976年に発売されたパワーアンプTA-N7Bは、パワフルな駆動を行うための機構がぎっしりと詰まったモデルです。
このモデルは、プリアンプTA-E7Bと合わせて使用することを前提に作られていました。

全段の回路には、コンデンサーを用いないDCアンプ構造を採用しており、位相の歪みを軽減する仕組みとなっています。
また、SONYが半導体技術を投入したデュアルFETは電圧増幅段に搭載され、熱平衡や電気特性に優れており駆動に安定性をもたらしているのです。
電力増幅段V-FETとバイポーラトランジスタを組み合わせ、安定性を獲得しました。
そして電圧増幅段と電力増幅段はいずれもカスコード接続が用いられ、高周波特性やリニアリティを向上させています。
その他、電源部は各段それぞれにトランスやコンデンサーを配置したほか、左右チャンネルをセパレートとした構造により、クロストークや信号への干渉も抑えました。

TA-N7Bの筐体はブラックとゴールドがあり、いずれも高級感がありながら年代を感じさせるレトロ感も漂います。
そして音はとても新鮮に響き、温かく芯の強い印象です。
一方で、高域はきらめきがあり繊細な音を奏で、素直に耳に入り込んでくるでしょう。