1965年からオーディオ製品の開発に乗り出したSONYは、その都度優れた高級モデルを開発・製造を行っており、高い評価を得ています。
1974年に発売されたパワーアンプTAN-8250もその1つで、同社の半導体技術を駆使したアンプ作りを追求してできあがったハイエンドモデルです。

構成としては、3段差動アンプのAクラス段にデュアルFETを2本導入したほか、定電圧回路を搭載しコンデンサーを排したDCアンプ構成としています。
またBクラス段のドライバー段はトリプルダーリントン接続で、トリプルプッシュプルの純コンプリメンタリー出力段を採用しています。
随所に保護回路を導入し、パワートランジスタもインピーダンス負荷を検出して保護する構造
となっている他、ヒートシンクの熱を検出する保護回路によって、温度上昇によるリスクも抑えているのです。
その他、電源部の大容量トロイダルトランスは新開発のリング状を採用し、電解コンデンサーは2つを1パックとした新構造によって抵抗値を激減させています。

フロントパネルの左上にはピークプログラムメーターが設置され、微細な読み取りや感度切り替えなどの機能を備えています。
TAN-8250は高級パワーアンプだけあって十分なドライブ力を発揮し、力強く芯のある音を奏でます。
それでいて繊細かつクリアな印象も与え、聴きごたえと素直な響きを両立させているのです。