STUDER A730は、1988年に発売されたCDプレーヤーで、Macintoshのパソコンを連想させる近未来的でユニークな外観は、一見するとCDプレーヤーには見えず、大きく話題を集めました。

このモデルは、業務用として開発されていることから、機能面では様々な点で工夫が凝らされています。
まず、メカニズムには、当時最先端技術であったPHILIPSのCDM3を採用し、ピックアップユニットにスイングアーム方式を採用することで、安定した読み取りを可能としています。
また、トップローディング方式となっているため、ディスクの装着を容易に行うことが可能です。
さらに、DACにはPHILIPSのTDA1541AS1を採用していて、これは、16bitでパワフルな処理能力を持っていました。

サイズは、幅320mm×高さ131mm×奥行355mm、質量6.0Kgと超軽量です。
コントロール部分は、押しやすさに配慮され、編集作業を効率良く行うための工夫があり、さらに、キューポイントのメモリー機能も兼ね備えていて、なんと100枚のCD情報が記憶可能でした。

STUDER A730によって奏でられるサウンドは、CDをそのままアナログレコードに仕立てたような、温かみを感じさせるものに仕上がっています。