TRIODE TRV-M300SEは、ベストセラー機種のVP-300BDをもとに作られた、A級300Bパラレルシングル・モノラルパワーアンプです。
300Bの特性を活かすためにシングル仕様としたところに、同社のハイエンドメーカーとしてのこだわりがあります。

真空管は、ドライバー段に12AU7Aを1本、初段に12AX7を1本、出力段に300Bを2本使用しています。
VP-300BD同様に、40W級のオリエントコアを使用した出力トランスを装備していますが、シングルアンプは低域の音質が出力トランスによって大きく左右されるため、あえて40W級を使って余裕のある構成としています。

ちなみに、TRV-M300SEの外観は同社のSEシリーズ共通のデザインとなっていますが、これは同時期に発売されたプリアンプTRV-4SEの使用を前提に設計されたため、同系統の外観となったものです。
また、TRV-M300SEではTRV-35SE、TRV-A88S、TRV-A300などのアンプを使用した、バイアンプ接続によるグレードアップも可能です。

TRV-M300SEは使用するパーツを厳選しており、抵抗器にはKOA高精度抵抗器を使用し、ソケットには新開発の24金OFC高品質ソケットを使用して、精度の高い音源再生を可能にしました。
さらに、シャーシにはアルミ削り出しインシュレーターを装備して、外部からの不要共振を防いでいます。

主なスペックは、定格出力20W＋20W（8Ω）、周波数特性：-1/-3dB（10Hz～60kHz）、SN比89dB、入力感度/インピーダンス800mV/100kΩ、外形寸法:176（幅）×200（高さ）×440（奥行）mm、重量15kgとなっています。