「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーJBL 4312B

1946年に設立され、ホームシアター、カーオーディオなどの民生向けオーディオ機器はもちろん、映画館などにも使われる放送用機器まで幅広い製品を手がけてきたJBLが、1980年代に販売したのが、JBL 4312Bです。

4312Bの大きな特徴は、デジタル音源の時代に照準した技術の導入などによる完成度の高さと言えるでしょう。

まず低域には30cmコーン型ウーファーの2213Hを搭載、コーン紙には、JBL独自のコーティング剤を使用し、ダンピングの効いた低音を実現しました。

さらに、フレーム部分にはアルミダイキャスト製を使い、磁気回路部の振動を抑えて雑味のない音質を完成させています。

中域には13cmコーン型ユニットである104H−3を搭載しており、低域部分と同様に中域のコーン紙にもコーティングを行い、スムーズな周波数レスポンスと指向性を実現し、高クオリティーな中域表現を可能にしました。

そして、高域にはドーム型トゥイーターである035Tiを搭載し、軽さと剛性を兼ね備えているだけではなく、日本の折紙細工にヒントを得たダイアモンドエッジパターンと補強リブを組み合わせることで優れたレスポンスを実現し、聴き応えのある高域を可能にしました。

完成度の高いユニットが作り上げられれば、完成度の高いスピーカーが出来上がる。
この至極当然でありながら行うは難しの業を、地道に忠実にやってきたのがJBLで、その結晶のひとつが4312Bなのです。