「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーJBL ヴィンテージ

JBLのスピーカーは能率の高さや大出力への耐久性から、1960年代から録音スタジオのモニタースピーカーとして採用されていきます。
その代表が日本で爆発的ヒットとなった4343や4344で、JBLといえばブルーバッフルの巨大スピーカーというイメージがあります。

しかし、これらのモニタースピーカーをヴィンテージと呼ぶのには、JBLの熱狂的なファンであれば抵抗があることでしょう。彼らにとってJBLヴィンテージにふさわしいのは、1950年代に登場したハーツフィールド、パラゴン、ハークネスといったスピーカーたちだからです。

これらはJBLのアイコンとも言えるホーン型ユニットを採用していること以外にも、家具調の美しいデザインが特徴でした。
中でもパラゴンは3WAYオールホーンという斬新な音響設計と、もはやアートにまで昇華された木工デザインが一体化され、JBLヴィンテージの最高峰と呼ぶにふさわしいスピーカーです。

パラゴンは1957年から1983年の長きに渡り製造が続けられ、現在でもカリスマ的な人気があり、特に日本では状態の良い中古品が出ると、たちまちまた姿を消してしまうほどです。

JBL創立者のジェームス・B・ランシングは、最初に映画館用のスピーカーを設計していました。
しかしそれに飽き足らず「一般家庭のリビングで使われる美しいスピーカーを作りたい」との思いから、今から70年前にJBL社を創立したのです。

ランシングは残念ながら1950年に入る前に亡くなりますが、彼の願いを残された者が総力をあげて実現させたのが、パラゴンを初めとするJBLヴィンテージの銘機たちなのです。