「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーMarantz DAC-1

アメリカでの創業を経て、現在では数少ない日本の高級オーディオメーカーとして名を馳せるMarantz(マランツ)。
Marantzは、1980年代にはすでにデジタル音源ソースを見据えて製品作りを行っており、その中の1つに1988年発売のデジタルコントロールアンプDAC-1も含まれます。
こちらは、信号がPCM処理された後にD/A変換を通すときに生じるノイズを軽減し、ピュアな信号伝送を確保したモデルです。

DAC-1には、当時Marantzの親会社であったフィリップス社の技術が投入されています。
例えば、入力段に搭載されたローパスフィルターは、フィリップス社がリリースするCDプレイヤーにも使用されているもので、必要な周波数だけをピックアップして高周波を減衰させることが可能です。

さらに出力回路には、同じくフィリップス社のCDプレイヤーLHH2000のノウハウを用い、トランス結合マルチフィードバック回路を構成しています。
これも、必要な周波数を確保してそれ以外の帯域の干渉を減らすことを可能にするものです。
その他、出力トランスの2次巻線はデュアルワインディングで異なる位相信号の出力ができます。

このように、フィリップス社の技術を踏襲したDAC-1は、中高域にかけて厚みとリアリティを感じるフィリップス社の音の特徴を彷彿とさせます。
そして、全体的には角のない優しい音が印象的で、癒しの音楽体験を楽しめるでしょう。