1983年に発表されたNakamichi DRAGON-CTは、アブソルート・センター・サーチ・システム機構を搭載したターンテーブルです。
この技術は、レコード盤の絶対中心が溝に対してずれ、位相ずれが起こることによる音質低下を防ぐために、レコード盤のセット時に偏心値を検出し、2重構造のプラッター上部のみを、偏心値分動かすというものです。

本機は、同じ技術をもつハイエンドモデルの先発機「TX-1000」よりも、一般使用での使いやすさを中心に設計されました。
また、駆動モーターにはオリジナルの技術である、スーパーリニアトルクDDモーターを採用することにより、トルクのムラを防ぐ滑らかな駆動が実現し、ダイレクトドライブ方式のモーターで問題になりやすい、フラッターの抑制も可能になりました。
これにより、プラッターが重くなくても問題がないというメリットも生まれ、本機の総重量は3.05kgと軽量化されています。

メーカーが目指す正確さと、クリアな音質が本機の特長で、透明感にあふれる音楽の再現性には定評があります。
さらに、シャーシ前面上部ですべての操作ができるように配置され、キューイング機構、±6％のピッチコントロールも搭載されました。
オートリターンも装備されているこのNakamichi DRAGON-CTは、使いやすいうえに高機能を備え、未だ人気を保っているので、取引価格にも反映されるでしょう。