オーディオブーム真っただ中であった1986年、日本のオーディオメーカー御三家の一角ONKYOはステレオパワーアンプM-508を発売しました。

M-508では入力信号の位相特性を高めるために左右独立の「パワー・インフェイズトランス」を2基採用し、ACラインから発生するノイズも徹底的に排除されています。
この「インフェイズトランス」を加えた合計4基のトランスから叩き出される定格出力200W+200W（8Ω）のハイパワーにより、あらゆる音楽ソースのダイナミズムを余すことなく再現すると同時に、位相の整った精緻な音場空間も作り上げます。

フロントに設けられた大型ピークメーターもサウンド同様に、マッシッブな雰囲気を醸し出していて、音出し前からリスナーの気分を高揚させます。

CDの普及に合わせるようにM-508にはCDダイレクト入力が装備され、CDプレイヤーからの音楽信号はフロントパネルのアッティネーターにより音量調整が可能となっています。

1986年は販売枚数でCDがLPを追い抜いた年でもあり、当時発売されたオーディオ機器はCDソースをいかに正確かつダイナミックに再現するかを競っていました。
その中にあってONKYOが自信を持って世に送り出したM-508はしっかりと時代の要請に応え、現代のハイレゾ音源をも再生できるほどのスペックを誇ったのです。