「まさか！」という高額買取。ハイエンドメーカーTANNOY Canterbury 15

英国の老舗ハイエンド・オーディオメーカーであるタンノイ社から1980年代後期に発売されたCanterbury 15は、タンノイの数々の銘機の中でも内外ともに非常に美しい一品です。

1970年代中期からハーマンインターナショナルの傘下に入ったタンノイが1980年代初期に再独立を果たし、再び英国らしい伝統的なサウンドに回帰する中で発売された、タンノイの歴史に残る象徴的なモデルです。
受注生産とされ、ウォールナットの化粧板は2種類から選ぶことができ、ウッドワックスやバスレフポート調整棒、サランネット用ロックキーも付属品として準備されました

タンノイの創業者であるガイ・Ｒ・ファウンテン氏は、元々クラシック音楽のファン、既存スピーカーの弱みである低音の迫力のスケールアップを求めていたという話は有名ですが、オーケストラの響きや、弦楽器のつやを美しく表現するCanterbury 15、彼の理想を体現したモデルあるといえるでしょう。

周波数特性の高音も22kHzまで伸び、楽器のエアー感も見事に表現されています。
当時アルニコのマグネット不足からフェライトタイプのユニットへの移行が進んでいましたが、Canterbury 15は再びアルニコに戻り 、ALCOMAX-IIIを採用した38cm同軸型2ウェイユニットが搭載されました。
その他にもコーン紙に特殊な薬品をコーティングするというタンノイ独自の技術による耐久性の向上や、共振を防止のための固定式のサランネットボードの採用、ダイアフラムの反対側に空けられた空洞によるサウンドバランスの向上、そして美しいデザインの融合など、最先端の技術とタンノイのこだわりが余すことなく投入された、歴史的な名モデルということができるでしょう。